不動産の売却方法は一般的に「不動産による仲介」での売却が多いですが、他にも不動産による買取、任意売却、リースバックの計4つ方法があります。
上記の4つの中から自分の売却状況や売却理由に合わせて選択をすることが重要です。
この記事では4つの売却方法についての詳しい解説をしていくので、自分に合った最適な売却方法を検討してみてください。
不動産の仲介による売却
不動産の仲介による売却は、不動産に自分が持っている物件の売却を任せる方法です。
実績があるため売却の流れがスムーズで、広告や自社が持つネットワークによる販売経路が広いため高額で素早く売れやすいことが特徴的。
不動産の仲介による売却を選択するメリット
以下のメリットが挙げられます。
- 実績があるため安心して任せられる
- 費用を使って様々な媒体で広告活動をしてくれる
- 書類作成などの手続きを任せられる
- あらゆるトラブルに対応してくれる
売却活動を不動産会社に任せられるので自分に知識がなくても売却することが可能です。
自分では見つけられない顧客層にアプローチすることができ、最適なタイミングで売り出すこともできるため高値で売れる可能性も大きくなります。
また、面倒な書類手続きを専門家に一括で任せられるため自分で動くことが少なくなりその分の時間を有意義に使うことができるのもメリットです。
不動産の仲介による売却を選択するデメリット
以下のデメリットが挙げられます。
- 仲介手数料がかかる
- 自分に知識がないと納得のいかない結果になりやすい
- 自分で買い手を見つけても取引ができない
不動産の仲介手数料は以下の通り。
売却価格 | 手数料の上限 |
売却価格200万円以下に対して | 売却価格の5% |
売却価格200万円から400万円以下に対して | 売却価格の4% |
売却価格400万円以上に対して | 売却価格の3% |
細かい計算は省きますが、1,000万円の物件を売却した場合にかかる仲介手数料は「39.6万円」
仲介手数料以外に、自分に知識がないと売却の相場感がわからず本来もっと高く売れたはずが安く売却することになってしまったり、売値を高くしすぎていつまでたっても売れ残ってしまったりということが起こりえます。
また、専属専任媒介契約をすると自分が物件の買い手を見つけても不動産を介さずに売却はできないため注意が必要です。
不動産会社の仲介による売却では一括査定サービスを利用しての売却が一般的です。
人気の一括査定サービスを提供している会社を下記の記事にてまとめているのでチェックしてみてください。
不動産の買取による売却
不動産の買取による売却はその名のとおり、不動産会社に自分の家を直接買い取ってもらう方法です。
不動産の買取による売却を選択するメリット
以下のメリットが挙げられます。
- 買い手を探す手間がない
- 複雑なことがなくすぐに売却できる
- 約1週間ほどで現金が振り込まれる
不動産が直接買い取るため、仲介でかかるような手間が一切ありません。
売却してから手元に売却金が振り込まれるのも速いため、即金を希望している人にとっては大きなメリットでしょう。
不動産の買取による売却を選択するデメリット
以下のデメリットが挙げられます。
- 仲介より売却価格が安くなる
仲介で売却するよりもだいたい市場相場の7~8割程度売却価格が低くなります。
これは、不動産買取では不動産仲介手数料がないこと、リフォームやリノベーション費用を差し引いてること、様々なリスクを考慮する必要があるためです。
任意売却
任意売却は住宅ローンの返済が困難になった場合に使う方法で、ローンをしている会社の同意のもと、不動産を売却します。
任意売却のメリット
以下のメリットが挙げられます。
- 住宅ローンが残っていても売却できる
- 競売よりも高く売れやすい
住宅ローンの支払いが滞ると裁判所により家が差し押さえられて売却されます。この家はオークション形式で販売されることになり、このことを「競売」と呼びます。
競売より前に任意売却を行うことでより高く家を売却することが可能です。
任意売却のデメリット
以下のデメリットが挙げられます。
- 個人信用情報に滞納情報が記録される
- 販売期間に制限がある
- 競売になる可能性がある
任意売却をするためには住宅ローンを払えてない状況(滞納)である必要があります。
そのため、個人信用情報に滞納情報が記録され俗にいうブラックリストに登録されることが難点。
さらに、販売期間の約3ヵ月~6ヵ月で売却できなかった場合、競売になる可能性もあります。
リースバック
リースバックは自分の家を一旦不動産会社に買い取ってもらい、その後賃貸契約をして住み続ける売却方法です。
リースバックのメリット
以下のメリットが挙げられます。
- 自宅をすぐに現金化することができる
- 売却後も自宅に住み続けられる
- 売却したことがバレにくい
家をすぐに現金化できるので他に当てたい時に便利で、売却後も賃貸契約をして住み続けられるので引っ越しをする必要がありません。
また、周囲にバレにくいですし固定資産税の負担がなくなることもメリットです。
リースバックのデメリット
以下のデメリットが挙げられます。
- 売却価格が仲介より安い
- リースバック後は賃貸人になるため以前ほどの自由はない
不動産会社に買い取ってもらうため、仲介で売却をするよりも価格は安くなります。
また、賃貸契約をして住むため住居を汚したり傷つけたり、改装など行うことはできなくなります。
一旦売却はするけど将来的に買い戻しをしたいと思っていても、当時の売却価格より買取価格が高くなることもあるため、慎重に判断をする必要があるでしょう。
不動産を高く売りたいなら「不動産の仲介による売却」
この記事で紹介した4つの方法の中で1番高く不動産が売却できる方法が「仲介による売却」です。
不動産に仲介してもらうと言っても家の販売価格は相談でき、自分が納得のいく価格で売り出すことができます。
家が無事売却できたときは不動産に仲介手数料を支払いますが、その分を差し引いても仲介による売却が1番高く売れます。
高く売却できる以外にも、サポートの手厚さや売却までのスムーズなやり取り、書類手続きなど個人で行うと大変な作業を支援してくれるのでメリットが大きいです。
不動産を早く現金化したいなら「不動産の直接買い取りによる売却」
不動産の直接買い取りでは約1週間以内に持ち家を売却して現金化することが可能。
仲介による売却の場合早くて1ヵ月、平均で3ヵ月~6ヵ月ほど期間を要するため売却スピードに大きく差が出ます。
ただ、直接買い取りは仲介よりも売却価格が安くなるため、余裕がある人は仲介での売却がおすすめです。
不動産ローンが残っている人は「任意売却」
家のローンがまだ残っているけど売却してお金にしたい人の選択肢は「任意売却」です。
ブラックリストに登録されるリスクはありますが、競売にかかる前に任意売却することができればより高値で家を売却することができます。
ただし、任意売却は簡単なことではなく、不動産会社と金融会社の交渉や、任意売却期間(約3ヵ月~6ヵ月)に売却しなければならないなどの制限があります。
不動産の中には任意売却を取り扱っていないところもあるため、余裕を持って探すことが必要です。
不動産を売却した後も住み続けたいなら「リースバック」
すぐにお金が欲しいけどそのまま家に住み続けたい人に最適なのが「リースバック」です。
売却した後は売却先と賃貸契約をして住む形になるため、引っ越す必要がなく周りの人にバレずに同じ家に住むことができます。
生活の基盤は変わらず生活環境を維持できるため、落ち着いて立て直すことができます。
リースバックを利用する際は、買取額と賃料の把握と賃貸の契約期間、買い戻しは可能なのか?その場合買取額はいくらになるかを予め聞いておくようにしましょう。
家を売るメリットとデメリット
家を売る理由は相続した物件の売却や、住み替え、ローンの返済が困難になったなど様々な事情があると思いますが、ここであらためて家を売るメリットとデメリットを考えてみます。
家を売るメリット
- まとまった現金が手に入る
- 住宅を手放すことで関連費用がなくなる
手元に使える現金が入り、住宅ローンを払う必要がなくなります。
建物は時間の経過で老朽化していくためメンテナンス費用もかかり、積み重なれば大きな負担となるでしょう。
また、家を保有することで発生する固定資産税などの税金もなくなります。
固定資産税は「固定資産評価額×1.4%(標準税率)」で算出されます。
こちらは建物と土地どちらにもかかり、年間平均額はおおよそ10万円から15万円です。
家を売ることでその他のことが豊かになるのであれば、選択肢として検討するのも必要となります。
家を売るデメリット
- マイホームがなくなる
- 別の家を探す必要がある
- 資産が減る
マイホームは人生で1番大きな買い物と言えますし、思い出も詰まっているため手放すのは喪失感が襲うことでしょう。
現金になるとは言え大きな資産を失いますし、賃貸を借りるならば結局お金はかかるため、売却後のプランをよくシミュレーションしておく必要があります。
まとめ
この記事では不動産の売却方法について4種類の売り方を徹底解説してきました。
最後におさらいをしておきます。
- 不動産を高く売りたいなら「不動産の仲介による売却」
- 不動産を早く現金化したいなら「不動産の直接買い取りによる売却」
- 不動産ローンが残っている人は「任意売却」
- 不動産を売却した後も住み続けたいなら「リースバック」
自分が1番何を優先するかと自分の現在の状況によって選ぶべき売却方法が変わります。
ここまでで解説したメリット・デメリットを理解して最適な売却方法を選んでくださいね。
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