一戸建て物件を売却しようと思った時、どのような流れで引き渡しまでいたるのかを知っておくとやらなければいけないことが明確化し、スムーズな売却活動ができるでしょう。
売却活動をして引き渡しまでの期間は一般的に3ヵ月から6ヵ月程度かかると言われており、その間に売主側として動くべきことがいくつかあります。
この記事では物件売却に関する知っておくべき知識や注意点をまとめて解説していきます。
一戸建て物件売却の流れ
一戸建て物件の売却は大きく以下の8つのステップに分かれます。
- 売却の準備を始める
- 不動産会社に査定依頼をする
- 依頼する不動産を決める
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 価格を決めて一戸建てを売り出す
- 内見対応をする
- 買主様と売買契約を締結する
- 一戸建てを引き渡す
このステップは不動産会社の仲介を利用した場合の流れで、1番一般的な売却方法となります。
仲介を利用せず直接不動産や買取業者に買取をしてもらう方法もありますが、1番高値で家を売却できるのが「仲介」です。
売却の流れ1:売却の準備を始める
一戸建ての状況を詳しく確認する
売却しようとしている一戸建ての状況をまずは把握しておきましょう。
状況確認をしておくべき項目は以下のとおり。
- 物件の所有者を確認する
- 住宅ローンの残高を確認する
- 必要書類を揃える
一戸建て物件の所有者をいまいちど自分名義かどうか確認しておきましょう。
自身の名義ではない場合、所有者に委任状を書いてもらう必要があります。
また、売却を行うためには住宅ローンを完済している必要があるため状況を確認しておきましょう。
まだ完済していない人はどのくらいの期間で完済できるのかシミュレーションしておくと、完済時にスムーズに売却活動を行うことができます。
一戸建ての売却における必要書類はとても多いです。
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
- 売買契約書
- 公図
- 物件の図面
- 物件購入時の重要事項説明書
- 登記済権利証または登記識別情報
- 確定測量図・境界確認書
- 固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
- 設備の仕様書
- 建築確認済証および検査済証
- 建築設計図書・工事記録書
- 耐震診断報告書
- アスベスト使用調査報告書
上記の書類を集める必要がありますが、全て自分で集めるのはなかなか大変です。
どこに書類をしまったのか忘れてしまっていることもあるため、自分が把握している書類とできていない書類を分けておき、わからない書類は早めに不動産に相談をするようにしましょう。
また、買主様に引き渡しをするときにもいくつかの書類を用意する必要があるため、戸建てに関する書類は一ヵ所に集めて置き、余裕をもって売却活動に臨むことをおすすめします。
相場感を調べる
自身が保有する戸建ての売却相場を予め調べておくと、不動産会社の査定との差異に気付くことができて納得のいく売却価格で販売することができます。
不動産相場の調べ方としては下記の項目を調べると良いでしょう。
- 最寄り駅からの距離
- 築年数
- 土地と建物の広さ
売却額はなるべく高いほうが良いのはもちろんですが、相場とズレすぎているといつまで経っても物件が売れ残ってしまう可能性もあります。
不動産会社によって査定価格は前後するので、適切に評価してくれている不動産を選ぶ基準として、自身が相場感を把握しておくことは重要です。
実際取引された不動産の成約価格を知りたい人は「レインズ・マーケット・インフォメーション」を利用すると良いでしょう。
不動産だけでなく、土地の価格情報を知りたい人は「不動産情報ライブラリ」にて検索してみてください。
売却の流れ2:不動産会社に査定依頼をする
売却の準備を進めながら不動産会社に査定依頼をしましょう。
この際、査定を依頼するのは1社ではなく複数社に依頼をしたほうが良いです。複数社に依頼し、相見積もりをすることで信頼できる不動産会社を見つけることができます。
この時便利なのが「不動産の一括査定サービスサイト」でして、
- 複数の査定結果を比較できる
- 無料で簡単に利用できる
- 地元の優良業者と出会える可能性
上記のメリットがあります。
不動産の一括査定サービスサイトは多くありますが、当サイトではおすすめを厳選をして紹介しているので是非チェックしてみてください。
売却の流れ3:依頼する不動産を決める
不動産一括査定サービスを利用した後は、依頼する不動産を決めましょう。
不動産会社は大きく分けて以下の2種類あります。
- 大手不動産会社
- 地元密着型の不動産会社
それぞれのメリットとデメリットは以下のとおり。
不動産の種類 | メリット | デメリット |
大手不動産会社 | 豊富な実績とノウハウがある幅広くアプローチをかけることができる顧客の基盤が厚い売却以外のサポートも充実 | 顧客が多いためスピード感が遅くなる可能性がある対応がテンプレート化されている |
地元密着型の不動産会社 | 地域の市場や価値に詳しい親身になってサポートしてくれる地域で探している濃い層にアプローチできる | 地域の市場や価値に詳しい親身になってサポートしてくれる地域で探している濃い層にアプローチできる |
それぞれに特徴があるため、自分に合っている不動産会社を精査して見極めましょう。
大手不動産会社と地元密着型の不動産会社の違いやメリット・デメリットについては以下の記事で詳しく解説をしています。
売却の流れ4:不動産会社と媒介契約を締結する
依頼をする不動産会社を決めた後は媒介契約を締結します。
媒介契約は不動産会社との間で取り決める約束事のことで、仲介業務に関するトラブルを防ぐための契約です。
媒介契約には以下の3つの契約方法があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
一般媒介契約
一般媒介契約は複数の不動産会社と契約でき、自分で見つけた買主様と取引を行うことができます。
また、活動報告においても規定がなく、レインズ(国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する不動産サービス)への登録義務もありません。
専任媒介契約
専任媒介契約は1社としか契約ができませんが、自分で見つけた買主様と取引を行うことができます。
活動報告は2週間に1度以上が必要で、7日以内にレインズへの登録が必須です。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は1社としか契約ができず、自分で見つけた買主様と取引を行えません。
活動報告の頻度は1週間に1度以上が必要で、5日以内にレインズへの登録が必須です。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は不動産会社の活動報告が義務付けられているため、どんな売却活動をしているかわかりやすいのが特徴。
不動産会社としても一般媒介契約だと個人で見つけた買主様と不動産会社を通さず取引を行う可能性があるため、広告を積極的に行いにくい側面があります。
一戸建ては広告力が重要のため、「専任媒介契約」か「専属専任媒介契約」を締結する人が多いです。
売却の流れ5:価格を決めて一戸建てを売り出す
不動産会社と媒介契約を締結したらいよいよ一戸建ての売り出しです。
まずは、事前準備の段階で調べた相場と照らし合わせながら不動産と話して売却価格を決定します。
その後、不動産会社が広告を始めて集客を開始。
売り手側は内見に向けて、家を掃除したり庭の整備をして綺麗に整えていきます。
売却の流れ6:内見対応をする
不動産会社が売却活動を始めると、内見希望者が集まります。
内見は不動産会社の人が立ち会うため、買い手の立ち合いは必須ではありませんがなるべく出席するべきです。
不動産会社の担当の人も、内見時に家や周辺環境の説明をしてくれますが、やはり実際に住んでいた所有者の意見も内見者は知りたいものです。
成約アップを目指すのであれば忙しくても可能な限り内見に行くようにしましょう。
内見をしていいなと思う人がいたら次に始まるのが購入者との交渉です。
主に値下げ交渉と引き渡し時期についての交渉が発生するため、いくらまでの値下げなら許容できるかを事前に考えておくと良いです。
売り出しの際に値下げ交渉まで考えた売却価格を設定しておくと安心でしょう。
売却の流れ7:買主様と売買契約を締結する
購入が決まり、お互いに合意をしたら買主様と売買契約を締結します。
不動産会社主導のもと、書面の交付や重要事項の説明をおこない、契約内容を確認して署名と捺印をして本契約となります。
その後、買主様より手付金の支払いが行われ、不動産会社に仲介手数料の1部を支払うのが一連の流れです。
なお所有権移転登記に関する司法書士への報酬は、一戸建て引き渡し時に行われ一般的に買主側が支払いますが、売主側が負担することもあるため、売買契約の締結時に取り決めておくことで最後までトラブルがなく進むでしょう。
売却の流れ8:一戸建てを引き渡す
売買契約を締結したときに決めた日程に家の引き渡しと全ての売却金額の決済が行われます。
なお、ここまでで住宅ローンを完済していないのであれば売却金額の決済が行われた後にローンの完済も行います。
無事に引き渡しが完了したら不動産会社に残りの仲介手数料を支払い、一戸建て売却の全てが終了です。
まとめ
この記事では一戸建て物件の売却についての進め方を解説してきました。
最後に売却までの一連の流れである8ステップをおさらいしておきます。
- 売却の準備を始める
- 不動産会社に査定依頼をする
- 依頼する不動産を決める
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 価格を決めて一戸建てを売り出す
- 内見対応をする
- 買主様と売買契約を締結する
- 一戸建てを引き渡す
一戸建て物件の売却を検討している人は不動産一括査定サービスを利用して、まずは持ち家の価格を調べてみてはいかがでしょうか。
実際に成約をした不動産の価格を調べたい時は「レインズ・マーケット・インフォメーション」
土地の価格を調べたい時は「不動産情報ライブラリ」を活用しましょう。
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